母乳育児の場合、ふだんの食事ってすごく気を使いますよね。
自分の食べたものが赤ちゃんや母乳にどんな影響を与えるのか、いろいろ気にされているママも多いと思います。
「脂っこい食事は、母乳の味を悪くする」
「甘いものを食べると、乳腺炎になる」
などさまざまなことが言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
授乳中にママが食べてはいけないものがあるのでしょうか?
そこで今回は、
- 授乳中に食べてはいけないもの
- 控えた方がいいもの
- おすすめの食べ物
について詳しくご紹介します。
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目次
授乳中の食べ物は母乳に影響するの?
授乳中の甘いもの、脂っこい物の影響は少ない
授乳中はあまり「甘いもの」や「脂っこいもの」は食べない方がいいとよく言われますよね。
ですが、実は授乳中の食べ物は母乳にはそれほど影響がないという研究結果がでています。
研究では、食べ物や栄養状態のまったく違う北欧とアフリカの母親の母乳を分析した結果、母乳の成分はほとんど変わらなかったのです。
授乳中だからといって、甘い物や揚げ物を極端に控える必要もないということですね。
食べ過ぎなければ大丈夫
私たちの身体は恒常性と言って、周囲の環境が変わってもいつも同じ状態を保てるようにできています。
甘いものを食べ過ぎたら母乳が甘くなって、塩辛いものを食べ過ぎたら母乳がしょっぱくなるなんてことはないんですね。
ニンニクをたくさん食べたママの母乳を飲んでも、赤ちゃんの哺乳行動に変化はなかったという論文もあります。
ママの食べ物によって、母乳の成分がそれほど変わるものではないのです。
赤ちゃんにとって、脂肪や糖質も大切な栄養素なので控え過ぎないようにしましょう。
もちろん、食べすぎはいけません!
ですが、大きく偏った食生活でなければあまり気にしなくて大丈夫です。
栄養バランスのいい食事を
授乳中は赤ちゃんに栄養を与えるため、ママの食事は通常と比べてプラス450kcal/1日の摂取が推進されています。
授乳中はバランスよく、さまざまな食品を摂るように心がけてくださいね。
また、よく言われていることで
- 乳製品をたくさん摂ると、乳腺が詰まって乳腺炎になる
- 高カロリーの物を食べると、母乳の質が悪くなる
- 食べ物によって、母乳の味や質が変わる
これらは科学的根拠に基づいたものではないので、食べ物を控えすぎて栄養不足にならないようにしましょう。
赤ちゃんだけでなくママの身体のためにも、栄養バランスのとれた食生活を心がけたいですね。
授乳中食べてはいけないもの、控えたいものとは?
極端に偏った食生活でなければ、授乳中に食べてはいけない食事は特にありません。
ですが、アルコールとカフェインの摂取には注意が必要です。
アルコールの影響は大きい
特にアルコールは分子量が小さく、母乳に移行しやすい性質があるので赤ちゃんに与える影響は大きいと考えられます。
ママの飲酒が原因で赤ちゃんの落ち着きがなくなったり、急性アルコール中毒を発症したりという報告があるくらいです。
授乳中でも少量の飲酒であれば問題ないとも言われますが、赤ちゃんに与える影響を考えるとやはり飲まないにこしたことはないです。
カフェインを摂りすぎない
新生児のうちは腎臓や肝臓が未熟です。
そのためカフェインも新生児のうちは、できるだけ摂らないようにしましょう。
新生児以降は、コーヒー1杯〜2杯程度(1日300mg)のカフェインなら問題ないと言われています。
ですが、まれに赤ちゃんの体の中でカフェインが蓄積されて、
- 興奮して眠れなくなる
- 神経が過敏になって、少しの刺激でもびっくりする
- 落ち着きがなくなる
- 不眠が起こる
などの症状が、赤ちゃんに現れることも報告されています。
カフェインはコーヒーだけでなく緑茶や紅茶、コーラ、高カカオチョコレート、栄養ドリンクなどにも含まれていますよね。
知らないうちに、カフェインを摂りすぎてしまうことも考えられます。
授乳中は赤ちゃんのためにも、カフェインの過剰摂取にならないように気を付けましょう。
辛いものは、赤ちゃんの様子を見ながら・・・
香辛料は授乳中に避けたい食事として、助産師さんなどから指導を受けることもあります。
実際、カレーや唐辛子のきいた食事を食べた後の授乳で、赤ちゃんの機嫌が悪かったり、嫌がって飲まなくなったりすることも報告されています。
香辛料の母乳への影響は個人差だけでなく民族的な違いもありますが、授乳中はできるだけ摂り過ぎないように注意しましょう。
ママの食べ物が赤ちゃんに影響を与えるのは食物を摂取後、約6時間以内だといわれて言われているので、赤ちゃんの様子を見ながら香辛料を摂るようにしてくださいね。
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授乳中のママにおすすめの食べ物とは?
授乳中は鉄分とカルシウムをしっかりと
授乳中は赤ちゃんに必要な栄養素が、まずは優先されます。
ですから、授乳中のママは身体が栄養不足になってしまうこともあります。
たとえば、鉄分が足りていないとママが貧血になってしまう・・・
これは意外と多いです!
カルシウムも不足すると、ママの骨からカルシウムが溶け出して赤ちゃんの栄養になるため、ママの歯がボロボロになることもあります。
授乳中は不足しがちな鉄分とカルシウムを、毎日意識して摂るようにしたいですね。
授乳中は体を冷やさずバランスのいい食事を
母乳は血液からできているので、血流を良くすることが大切です。
そのためには体を冷やすものはなるべく避けて、体を温めるものを食べるようにしましょう。
授乳中のママにおすすめの食品をまとめたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
授乳中のおすすめ食材
- 鉄分の多い食品・・・レバー、赤身の肉、貝、魚、大豆、野菜、海藻など
- カルシウムが多い食品・・・乳製品、小魚、豆腐、大豆製品、小松菜、切り干し大根など
- カルシウムの吸収を高めるビタミンD・・・魚介類、干し椎茸、木くらげ、きのこ類など
- 血流をよくして体を温めるもの・・・ほうれん草、ねぎ、白菜などの冬野菜、大根、にんじん、ごぼうなどの根菜類、ショウガ、ニンニクなど
まとめ
授乳中のママの食べ物は、基本的にバランスのよい食事ができていれば問題ありません。
アルコールとカフェイン以外は、あまり気にし過ぎないほうがいいですね。
食べたいものを我慢して、ストレスになってはせっかくの母乳育児が楽しめなくなってしまいます。
授乳中のママは水分をしっかり摂ることを心がけて、ストレスを感じない食生活を心がけましょう。