新生児の耳の形が、気になるママも多いですよね。
もともと、人によって耳の大きさや形は、左右で違うのはごく普通のことですが・・・
赤ちゃんの左右の耳の大きさが違ったり、形が少し違ったりすると、
「耳の形が、少し変?」
「寝かせ方が悪いのかな?」
など、いろいろ心配になったりしてしまうものです。
赤ちゃんの耳の形は、成長とともに自然と治っていくものなのでしょうか?
そこで今回は、新生児の耳の変形や、左右の違いについて、
- 時期がくれば自然に治るものなのか
- どのような治療方法があるのか
- 原因は何か
について、詳しくご紹介します。
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目次
新生児の耳の変形はとても多い?
生まれたばかりの赤ちゃんの耳は、約60%に何らかの変形が見られると言われています。
耳の変形といっても、軽いものから重いものまでさまざまで、
- 折れ耳・・・耳の上部が前に折れ曲がっている。
- スタール耳・・・耳の上部がとがったように見える。
- 立ち耳・・・耳が著しくたっている。
- 埋没耳(まいぼつみみ)・・・耳の上半分が、頭の皮膚の下に埋まっていている 。
- 耳垂裂(じすいれつ)・・・耳たぶに亀裂が入っている。
- 副耳(ふくじ)・・・耳の穴の前や頬に、イボ状の突起が見られる。
- 小耳症(しょうじしょう)・・・耳の形成が不完全で耳が小さく、一部分あるいは大部分が欠損している。
など、たくさん種類がありますが、ほとんどが先天性のものです。
後天的なものとして考えられるのは、赤ちゃんの授乳のときや寝るときの向き癖です。
いつも同じ方向ばかり寝ていると、下敷きになった方の耳が平たく見えたり、左右の耳の形が違ってきたりします。
新生児の向き癖は耳の形だけでなく、頭の歪みにもつながるので注意が必要ですね。
参考記事➡赤ちゃんの頭の形はいつまでなら治せる?対処法はあるの?
新生児の耳の変形は、時期がくれば治るの?
新生児の耳の軟骨は非常に柔らかいため、軽い耳の変形の場合は、そのまま放置していても大部分が治ってしまうとも言われています。
「生まれた時には、折れ耳だったのにいつの間にか、きれいな形になった。」
「耳の上が尖っていて、すごく気になっていたのに目立たなくなった。」
など、先輩ママさんの話を聞いたことはありませんか?
新生児は耳に軽い変形があっても、成長とともにきれいになることが多いです。
ですが、成長と共に治るなんて言われていたのに、そのままの形が残ってしまう場合や治らず手術に至ったケースもあります。
基本的には、赤ちゃんの耳の変形は時期がきたら自然に治るものと、早い時期の矯正や、手術しないと治すことができない場合があります。
赤ちゃんの耳の形が気になるときは、早めに専門医に相談する
赤ちゃんの耳の変形の多くは、生後2ヶ月までに治療を開始すれば、装具やテープなどを使った保存的療法で治ると言われています。
特に、早い時期だと簡単な装具(矯正具)を装着するだけで治療を行うことができます。
耳の変形を治す矯正時期は、
- 赤ちゃんの耳の軟骨が柔らかい
- 赤ちゃんが触ったり、装具を外したりできない
などの理由から、早ければ早いほどいいと言われています。
赤ちゃんの耳の変形がどの程度なのか、軽いかどうかの判断はなかなかつかないものです。
ママが少しでも気になるようなら、月齢が進むほど治りにくくなるので、できるだけ早い時期に専門医(形成外科)に相談をすることをおすすめします。
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新生児の耳の変形はどうやって治すの?
新生児の耳の変形は矯正によって治せるものと、手術が必要になる場合とがあります。
矯正治療が可能な場合
新生児の耳はとても柔らかいため、組織自体に不足がない場合は、耳の変形の矯正治療が容易にできると言われています。
たとえば、
- 埋没耳(耳の上の部分が、皮膚の下にはまり込んだ状態)
- 折れ耳(耳が前方に折れ曲がった状態)
- 立ち耳(耳が前側に立ち曲がった状態)
- スタール耳(耳の上部がとがった感じがする)
などは、組織に不足がないため、早い時期に矯正することで多くの場合は治すことができます。
症状に合わせて、テーピングや針金を含んだ装具、粘土状の物質で作った矯正具などを使用して、数週間~数ヶ月装着して治療を行うものです。
ただし、上記に挙げた耳の変形の場合でも、変形が強いときや矯正の時期が遅れたときは、手術を検討する場合もあります。
手術が必要な場合
耳の変形の中でも、下記のような場合は矯正治療ではなく治すには手術が必要です。
▮ 耳垂裂(じすいれつ)
生まれつき耳たぶが割れている耳垂裂の場合は、先天異常の一種です。
耳たぶ意外には発達障害はなく聴力も正常ですが、割れた耳たぶを縫い合わせる手術が必要になります。
耳垂裂の手術は小さい子供の場合は全身麻酔が必要です。
そのため一般的には1歳以降に手術が行われていますが、1回の手術で治ります。
▮ 副耳(ふくじ)
副耳は生まれつき耳の穴の前や頬に、小さなイボ状の突起があるものです。
片側の耳の前にあることがほとんどですが、ときには両方の耳にあったり複数個あったりすることもあります。
副耳は、イボ状の突起がある以外は他に症状はありませんが、顔や首にできて目立つため、ご両親や本人の希望で手術することがほとんどです。
▮ 小耳症(しょうじしょう)
小耳症は、生まれつき耳の形成が不完全な状態で、変形の程度が小さいものから、耳がほとんどない状態のものまで大きな違いがあります。
小耳症は耳の穴がない、耳の穴が狭いなどの外耳道閉鎖症(がいじどうへいさしょう)を伴っていることが多く、その場合難聴や耳鳴りを起こしやすくなってしまいます。
小耳症の治療は手術以外になく、10歳前後に数回に分けて受けるのが一般的です。
新生児の耳の変形!何が原因なの?
新生児の耳の変形は、先天性のものがほとんどです。
ママのお腹の中で耳が作られる時期に、何かの理由で胎児の耳の形成が上手くいかない場合、生まれた時に変形が残ってしまうのです。
親からの遺伝や、耳の周りの血管や筋肉の異常が原因と考えられることもありますが、本当の原因は分かっていません。
妊娠4~20週にかけて複雑な過程を経て作られる胎児の耳は、先天的にも異常があらわれやすく、はっきりした原因が特定されていないので予防が困難とも言われています。
また、赤ちゃんが生まれた時から耳折れの場合は、お腹の中にいるときに耳に一定の圧力がかかった可能性も考えられます。
出生後に耳折れが起こった場合は、授乳の向きや寝る方向がいつも同じ向きになっていることも関係しています。
まとめ
新生児の耳の変形と言ってもさまざまですが、できるだけ早く対処することで、矯正治療を可能にする場合もたくさんあります。
耳の変形は、コンプレックスになって大きな悩みになってしまうケースもあるので、赤ちゃんの耳の形が気になった場合は、早めに形成外科に相談することをおすすめします。
できるだけ赤ちゃんの耳に負担がかからない方法で、変形を治してあげたいものですね。