産後は、赤ちゃんのお世話に追われて思うように睡眠がとれず、不眠症になってしまうことがあります。
その原因の一つに、「産後ハイ」と呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか?
産後ハイは、妙にハイテンションになって、自分では気が付かない間に不眠を引き起こしてしまうのも特徴の一つです。
「産後、すごく疲れているのに眠れない。」
「赤ちゃんは寝ているのに、自分だけが眠れない。」
そんな、出産後になぜか眠れなくなったと、悩んでしまうママさんもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、産後に眠れなくなる理由や、不眠症を引き起こしてしまう「産後ハイ」について詳しくご紹介します。
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目次
産後 疲れてるのに眠れないのはなぜ?
産後はママもゆっくり休んで、体力の回復を早めたい時期です。
少しでも赤ちゃんと一緒に睡眠をとりたいのに…なぜか、頭が冴えて全然眠れない。
眠れないことに、余計にイライラしていてしまうなんてことがよくあります。
このように産後、疲れているのに眠れないのは、ホルモンバランスが乱れることと育児疲れなどからくるストレスの2つの原因が考えられます。
1.産後のストレス
生まれたばかりの赤ちゃんのお世話はとても大変です。
家事も育児も完壁にこなそうなんて思ったら、ママの負担は大きくなってストレスを感じずにはいられません。
その上、赤ちゃんの授乳回数が多い間は、自分の睡眠どころではないですよね。
ママの体は産後すぐに元に戻るわけではないので、睡眠不足が続くと自律神経のバランスが乱れやすく、不眠の原因になりやすいのです。
また、慣れない育児でストレスを感じたり、ささいなことでイライラしたりすることも不眠につながってしまいますね。
2.産後のホルモンバランスの乱れ
産後の体は、女性ホルモンが大きく変化するため、自律神経が乱れてしまいます。
自律神経が乱れると、睡眠時やリラックスしている時に働く副交感神経が優位になりません。
つまり、交感神経が優位のままで、心身の緊張状態がずっと続いた状態になるのです。
そうすると、
- なかなか寝付けない
- 寝てもすぐに目が覚める
- 熟睡できない
などの不眠症の症状が出るようになってしまうのです。
女性ホルモンと自律神経は、同じ大脳の視床下部でコントロールされているので、産後に女性ホルモンが乱れてしまうと自律神経にも影響を与えて眠れなくなるのです。
また、産後のホルモンバランスの乱れは「産後ハイ」という症状を引き起こすことでも知られています。
産後の不眠症を引き起こす「産後ハイ」とは?
産後のママに起こりやすいとされている「産後ハイ」とは、赤ちゃんが生まれたことで起こる、一時的な感情の高ぶりを言います。
出産をきっかけに、気持ちが高揚するので普段よりハイテンションな状態が続いてしまい、たとえ、疲れていても寝不足が続いていても、パワフルに動いてしまうことも多いです。
産後ハイになると、体は疲れているのに何だか興奮して眠れない…寝ようと思ってもまったく眠くならないという話はよく聞きます。
このように産後ハイによって不眠症を引き起こすのは、出産後の女性ホルモンの劇的な変化や、産後の体の変化が大きく影響していると考えられます。
女性ホルモンの急激な変化による影響
産後の不眠症を引き起こす原因に、ホルモンバランスの急激な変化があります。
妊娠中は、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンが増え続けますが、産後はこれらのホルモンが急激に減少してしまいます。
一方で、母乳を作る「プロラクチン」というホルモンの分泌量が増加します。
このホルモンバランスの急激な変化によって、産後ハイの状態を引き起こすと考えられています。
また、ホルモンバランスの乱れは自律神経とも深く関係しています。
赤ちゃんが生まれることで、交感神経が一時的に強まって興奮しやすい状態になってしまうのです。
アドレナリンが多く分泌される影響
アドレナリンは興奮したり、緊張したりする時に多く分泌されることでよく知られていますね。
このアドレナリンは、陣痛が始まった時から分泌され、出産を終えてもしばらくは産後の体の大変さに耐えるためにたくさん分泌されます。
出産直後は、疲れているのに興奮してなかなか眠れなかったという方が多いのはこのためなのです。
なかには陣痛で2晩以上寝てないのに、出産後も全然眠くならないなんて話も聞きます。
産後、しばらくは心身ともに興奮状態が続いて産後ハイになって、すぐに眠れないのは自然なことなんですね。
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産後ハイから「産後うつ」に移行することも!
産後の体の急激な変化に加え、赤ちゃんを迎えたことによって生活環境も大きく変化します。
夜中に何度も授乳したり、泣き止まない赤ちゃんを抱っこしながら歩き回ったりして、ほとんど眠れないこともあります。
これは誰でも経験することで、一般的には産後は次第に、細切れでも深い睡眠がとれるような体になっていくものです。
ところが、産後ハイの状態が長く続くと、睡眠がとれていなくても赤ちゃんのために頑張ってしまうので、知らない間に心身ともに疲労してクタクタになってしまいます。
このように、産後ハイからいつの間にか体調を崩してしまい、産後うつに移行してしまうケースも珍しくありません。
睡眠不足が続くと、精神的にも不安定になりやすいので、産後うつを防ぐためにも十分な睡眠は欠かせませんね。
産後ハイは自分では気づきにくい?
産後ハイはハイテンションになり、普段よりパワフルに動いてしまうため、疲れがたまっていても自分では気が付かないことも多いです。
周りから、「無理しないで、少し休んだ方がいいよ。」と言われても、自覚がないとついつい無理をしてしまうものです。
産後ハイに対する知識が少しでもあれば、早めに気づいて産後に無理をしないですむかもしれませんね。
「もしかしたら、産後ハイだから眠くならないのかも?」
と感じた時は、自分の行動を少し見直してみましょう。
産後ハイの状態のときにあらわれる症状についてまとめましたので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
産後ハイの主な症状
- 疲れていても眠れない。
- 育児だけでなく、家事も必要以上に頑張ってパワフルに動き回る。
- テンションが高い状態が続く。
- 出産のときの話をよくする。
- 赤ちゃん用品など、衝動買いをする。
- 赤ちゃんの名前に、変わった名前をつけたがる。
- 大人しい性格が変わって、急におしゃべりになる。
- 無神経な言動や行動をとってしまい、周りの人に迷惑をかける。
産後ハイに気づいたときの対処法
産後ハイは一時的なもので、一般的には産後3カ月前後で自然に落ち着くと言われています。
ですが、個人差も大きく症状が出ない場合もあれば、産後ハイの状態が1年近く続いてしまうこともあります。
ママの体が悲鳴を上げているのに、誰も気付かないこともあるので、事前に産後ハイのことについて家族と話し合って、サポートしてもらうようにしておくといいですね。
つい子育てを最優先にして、自分の睡眠を犠牲にしてしまうママも多いので、産後ハイに気づいたときは無理しすぎないようにしましょう。
産後ハイかもしれないと気が付いたときの対処法をまとめましたので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
産後ハイの対処法
- 短時間の睡眠でもいいから、すき間時間を上手に使って休む。
- ママの負担を軽くして、一人で子育てしない。
- 家事や育児も上手に手抜きして、空いた時間を睡眠にあてる。
- 何事も完璧を求めず、できなくて当然くらいに考える。
- 授乳の負担を軽くするために、あまり母乳育児にこだわらない
- 子育てや産後の悩みを、周囲の人や友達などに相談する。
まとめ
産後ハイは、出産の大変さと嬉しさでテンションが上がってしまうことは誰もが起こる、一過性のものなのであまり心配はいりません。
ですが、寝不足などが続いているのに無理して頑張り続けてしまうと、自分でも気が付かない間に体を壊してしまいます。
赤ちゃんが可愛くて一生懸命お世話していたはずなのに、ママが体を壊しては元も子もありませんね。
産後は無理せず、周りの人に協力してもらって少しでも体を休めるようにしてくださいね。