離乳食が完了する頃になると、赤ちゃんもだいたい大人と同じようなものが食べられるようになりますよね。
「薄味の離乳食づくり」を頑張ってきたママも、ほっと一息というところですが・・・
すぐに、大人と同じ味付けの食事を、子供に食べさせても大丈夫なのでしょうか?
これまで薄味のご飯ばかり食べさせていたので、急に味付けが濃くなるのを気にされるママもいるのではないでしょうか?
そこで今回は、
- 大人と同じ味付けの食事は、いつから食べさせられる?
- 濃い味付けは、子供の体に負担になる?
- 子供の食事の塩分量の目安
- 簡単に子供の食事を薄味にする工夫
について、詳しくご紹介します。
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大人と同じ味付けの食事はいつから?
赤ちゃんは離乳食を卒業しても、すぐに大人と同じ味付けの食事が食べられるわけではありません。
離乳食が終わる1歳半から6歳までの間は幼児食といって少しずつ味付けや食べられる食材、調理方法などを変えて大人の食事に近づけていくようにします。
味付けは、6歳くらいまでは薄味にするのが理想です。
「6歳まで大人と同じ食事は食べさせられないの?」
そう思われるかもしれませんが、早くから大人と同じ味付けに慣れさせると、発達が阻害されるだけでなく体にも影響が出てくることも考えられます。
いつから大人と同じ味付けの食事を子供に食べさせられるかは、各家庭の味付けによっても変わってくるので一概には言えませんが、将来的な健康を考えれば6歳くらいまでは、やはり薄味にした方がいいですね。
実際には2~3歳頃になると、普通に大人と同じご飯を食べさせている家庭も多くみられます。
もともと、うす味の家庭では早くから大人の食事をとり分けて、子供に食べさせてもあまり問題がない場合も多いので、ふだんの食事の味付けを見直してみることが大切ですね。
大人と同じ味付けは子供の体に負担がかかる?
大人と同じ濃い味付けは、自然と塩分が多くなりがちです。
塩は私たちにとっては必要不可欠なミネラルの一つですが、塩分をたくさん摂取すると体の老廃物を尿として外に出す役割を担っている腎臓に負担がかかってしまいます。
小さな子供とって、大人と同じ濃い味付けは内臓に負担がかかるだけでなく、習慣的に食べさせていると、肥満や高血圧などの生活習慣病にもつながりやすくなるのです。
その上、濃い味付けに慣れてしまうと、薄味では物足りなくなって子供が薄味の食事を食べなくなってしまいますよね。
塩味だけではなく、甘い物、脂っこい味も同じで、どんどん濃い味付けを求めてくるようになってきます。
子供は大人と比べて内臓がまだまだ未熟なので、塩分や糖分などの摂り過ぎには十分注意してくださいね。
またに、大人が使用する「こしょう」「生姜」「からし」などの刺激の強い調味料なども胃腸に負担がかかるので、幼児食の間はできるだけ使用しないようにしましょう。
子供の食事の塩分量はどのくらいがいいの?
日本人の塩分の摂取量は世界的に見ても多いと言われています。
大人が普段から濃い味を好んで食べている場合は、子供も濃い味を好んだり、塩分の多い食品を食べたりする機会が多くなりますよね。
健康面を考えるなら、家族みんなが塩分を摂りすぎないよう注意したいですね。
下記は「食塩摂取の1日当たりの目標量」ですので、普段の食事で塩分を摂りすぎてないかぜひチェックしてみてくださいね。
【 食塩摂取の1日当たりの目標量 】
男性 | 女性 | |
6〜11ヶ月 | 1.5g(目安量として) | 1.5g(目安量として) |
1〜2歳 | 3.0g未満 | 3.5g未満 |
3〜5歳 | 4.0g未満 | 4.5g未満 |
6〜7歳 | 5.0g未満 | 5.5g未満 |
8〜9歳 | 5.5g未満 | 6.0g未満 |
10〜11歳 | 6.5g未満 | 7.0g未満 |
12歳以上 | 8.0g未満 | 7.0g未満 |
2015年版 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」より
※ 塩は小さじ1杯が約 5グラムです。
幼児食の塩分量は、大人の1/2〜2/3程度が望ましいことが分かります。
子供に大人と同じ味付けの食事をさせていると、すぐに1日の目標量をオーバーしてしまいそうですね。
塩分が〇〇gと言われても分かりにくいと思いますので、下記の食品に含まれる塩分量を目安にして、塩分を摂りすぎていないか確かめてみましょう。
◇ 加工食品に含まれる塩分
- 焼ちくわ(100g)1本…2.4g
- 梅干し(10g)1個…2.0g
- 食パン(6枚切り)1枚…0.8g
- プロセスチーズ(20g)1切れ…0.6g
- しらす(10g)大さじ山盛り1杯…0.6g
- ロースハム(20g)1枚…0.4g
※ 厚生労働省「高血圧を防ぐ食事」より
◇ 外食(1人前 およその塩分量)
- ラーメン…約6.3g
- 親子丼…約5.4g
- きつねうどん…約5.2g
- 焼きそば…約4.8g
- スパゲッティ…約4.1g
- ざるそば…約3.8g
- ハンバーグ…約3.1g
- お好み焼き…約3.1g
※ 五訂日本食品標準成分表より
※ 食塩量はお店や材料によって差があるので、あくまでも目安としてご活用ください。
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簡単に薄味の食事を作るための工夫は?
離乳食を卒業した後も、子供用に薄味の食事を別に準備するのはママも大変ですよね。
食事の支度は毎日のことなので、できるだけ時間をかけずにご飯の準備をしたいですね。
そこで、手間をかけずにうす味の食事を作る工夫やアイデアをご紹介しますので、ぜひ試してみてくださいね。
子供用にうす味の食事を作るときの工夫やアイデア
- 大人用のお味噌汁に氷を入れると、薄味になるだけでなく冷めて食べさせやすくなる。
- 出来上がった大人用の料理に、だしや牛乳をたして味を薄める。
- 料理に合わせて、だしや牛乳の代わりに豆腐やペースト状の野菜で味を薄める
- 料理の味付けは子供に合わせてうす薄味にし、大人はしょうゆやソースなどを食べる時にプラスする。
- 味付けを薄味にするために、塩の代わりに酢やレモンを使う。
- 薄味にしたあと、削り節、ごま、青のり、きなこなどを加えて風味をプラスして、味の物足りなさをなくす。
- お味噌汁は具だくさんにして、汁は少なめにする。
- しょうゆやソースなどは直接かけないで小皿にとり、少しずつ付けながら食べさせる。
- 加工食品は塩分が多いので、できるだけ控える。
まとめ
離乳食が完了する頃になると、少しずつ形のある食べ物をかみつぶすことができるようになりますが、子供は消化機能がまだまだ未熟です。
離乳食が完了しても大人と同じ食事を与えるのではなく、引き続き味付けだけでなく、大きさや固さなどにも気を配るようにしましょう。
特に味付けについては、大きくなって食事の習慣を変えることは難しいので、幼児のうちから薄味の食習慣を身につけさせたいですね。
また、子供の味覚は3歳までに決まると言われています。
それまでは、できるだけ自然の薄い味に慣れさせるように、子供の食事に気を使ってあげたいですね。