一度にたくさん作って作り置きすることが多いカレー。
冷蔵庫で保存したら何日もつのか、気になる方も多いのではないでしょうか?
カレーは十分加熱されているので、冷蔵庫で保存すればしばらくは心配なさそうですが・・・
実は、カレーの保存方法によっては、食中毒の原因になる菌があっという間に繁殖してしまう可能性があります。
いったいどんなことに注意して、カレーを冷蔵庫で保存すればいいのでしょうか?
そこで今回は、
- カレーを鍋ごと常温で保存するのは危険!
- カレーに繁殖しやすいウェルシュ菌とは?
- カレーを冷蔵庫で保存したら何日もつ?
- カレーを日持ちさせる冷凍保存と冷凍におすすめの具材
について詳しくご紹介します。
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目次
カレーを鍋のまま常温で保存するのは危険!
カレーを調理した後、どのようにして保存していますか?
カレーの入った鍋のまま、しばらく常温で冷めるのを待ってから冷蔵庫で保存される方も多いのではないでしょうか?
なかには、冷めたらそのまま鍋ごと冷蔵庫に入れてしまう方もいるかもしれませんね。
実は、こうした「調理済みのカレーを常温で冷ます」といったやり方は、一番食中毒を起こしやすいのです。
「しっかり熱を加えているのに?」と思われるかもしれませんが・・・
多くの細菌は加熱することで完全に死滅させることができますが、中には芽胞(がほう)と言ってきわめて耐久性の高い硬い殻の構造物をつくって、休眠することができる細菌がいます。
この芽胞は熱に強いので、100℃で1~6時間加熱しても死滅することはなく、細菌の増殖に適した温度に下がった時点(50℃以下)から発芽して増殖を始めます。
つまり、カレーを調理して常温で放置しておくと、温度が下がっていく過程で菌がどんどん増殖し始めるということです。
一晩カレーを鍋のまま放置したり、調理済みのカレーを常温で冷まして冷蔵庫に入れたりしないように注意しましょう。
カレーに繁殖しやすいウェルシュ菌とは?
カレーに繁殖しやすいウェルシュ菌は自然界に広く存在する常在菌で、熱に強く、酸素のない場所で増殖する性質を持っています。
ですから、カレーだけでなくシチュー、スープ、煮しめなど、煮込み料理をたくさん作って保存するときは、同じようにウェルシュ菌による食中毒に注意しなければいけません。
ウェルシュ菌は一度調理した煮込み料理がゆっくり冷める過程で、空気のない鍋の底などで急速に菌が増えていきます。
特に、43℃~46℃という比較的高い温度でウェルシュ菌が発育し始めます。
この時点では鍋がまだ熱いので、そのまま常温に置いて冷めるまで放置されている方が多いのではないでしょうか?
ですが、常温で鍋のまま保存するとあっという間に菌が増殖して、4~5時間で食中毒を起こすレベルまで菌が増えてしまいます。
カレーを調理してから冷めるまでの時間が長かったり、前日から常温に放置したままにしたりすると食中毒の原因になるので十分注意しましょう。
ウェルシュ菌による食中毒は、菌が多量に増殖した食品を食べることで、6~18時間ほどして下痢や腹痛、お腹の張りなどの症状が現れます。
一般的に症状は軽く1~2日くらいで回復しますが、食中毒を起こさないようにカレーの保存方法には気を付けてくださいね。
カレーを冷蔵庫で保存したら何日もつ?
カレーは一度にたくさん作って、翌朝以降も食べることが多いですよね。
一般的にはカレーの日持ちは、冷蔵庫で2~3日、冷凍すれば1ヶ月ぐらい保存ができます。
ただし、あくまで目安であってカレーに使っている具材によっても、多少変化することもあるので早めに食べるようにしましょう。
また、調理後にカレーをどのような状態に置いていたかによっても、保存期間が大きく変わってきます。
カレーを冷蔵庫に保存するときは素早く粗熱をとる
カレーを作り置きする場合は、調理後にできるだけ早く粗熱をとって、一度に食べきれる分を小分けにして、冷蔵または冷凍保存するようにしましょう。
粗熱をとるときはフライパンなどに氷水をいれて、鍋ごと入れて冷やすようにするといいですよ。
深鍋の場合は冷めるまで時間がかかるので、底の浅い容器に移し替えるなどして一気に冷やすようにしましょう。
粗熱が取れたらプラスチック容器や保存袋などに小分けして、冷めたらすぐに冷蔵庫で保存するようにしてくださいね。
食中毒の原因になるウェルシュ菌が活動する温度は、20~50℃くらいの温度帯です。
カレー鍋がこの温度になる時間をできるだけ短くするように、素早く粗熱をとることが大切です。
カレーを鍋ごと冷蔵庫に保存するのはさける
カレーが残ったら、鍋ごと冷蔵庫に入れて保存される方も多いのではないでしょうか?
食中毒の原因になるウェルシュ菌は、酸素を嫌うので空気のない鍋の底などで菌が増えていく性質があります。
カレーが残ったときは鍋のまま冷蔵庫に保存するのではなく、ウェルシュ菌の苦手な空気に触れるように、浅い容器に小分けして保存するようにしましょう。
冷蔵庫に保存したカレーを翌日以降に食べる場合は、しっかりかき混ぜて中心部まで十分火を通すようにしましょう。
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カレーを日持ちさせるには冷凍保存が一番!
作り置きのカレーは冷凍することで菌の増殖を抑えられるので、日持ちさせるに冷凍保存はもってこいです。
ですが、カレーを冷凍するとじゃがいもや人参の食感が変わっておいしくないとか、解凍ムラができるなど不便を感じることも多いですよね。
カレーを作り置きして冷凍保存するときは、ちょっとした工夫で使いやすいだけでなくおいしく食べることもできます。
カレーの冷凍保存のコツや解凍方法をまとめましたのでぜひ参考にしてみてくださいね。
【カレーの冷凍保存のコツと解凍方法】
- カレーに入っているじゃがいもや人参は冷凍すると食感が悪くなるので取り除くか、すりつぶして冷凍する。(食べるときに別ゆでして追加してもいい。)
- 人参を使ったカレーを冷凍するときは、冷凍しても食感が変わりにくいキーマカレーがおすすめ。
- 1食分ずつ小分けして冷凍すると、凍るまでの時間を短くすることができるだけでなく、解凍時間も少なくて済むので便利。
- プラスチック容器にカレーを保存するときは、容器にラップを敷いておくと汚れがつかず、臭い移りも防いでくれる。(カレーを包むようにして上部にもラップをかぶせる。)
- ジップ付きの保存袋で冷凍する場合は、1食分ずつ平らにして急速冷凍する。
- ジップ付きの保存袋で冷凍したカレーを加熱するときは、1~2分冷水に当てて、その後耐熱容器に移してレンジにかける。
- カレーをレンジで加熱する際、加熱ムラができやすいので、途中何回かかき混ぜながら様子を見る。
- 冷凍したカレーを加熱するときは、プラスチック容器はニオイがつきやすいので、耐熱容器か鍋に移し替えて温める。
- 冷凍したカレーは冷蔵庫の中で自然解凍させた後、温めなおすようにすると加熱時間が少なくて使いやすい。
カレーを冷凍するときのおすすめの具材は?
カレーの具材によく使うじゃがいも、人参、玉ねぎ・・・
この中でも、じゃがいもと人参は水分が多いため、一度冷凍すると水分が失われて食感が損なわれるので、冷凍するときのカレーの具材には向いていません。
一般的には、じゃがいもや人参が入ったカレーを冷凍保存するときは、すりつぶすか、取り除くようにしますが、味や食感も変わってきますよね。
たくさん作って冷凍するのであれば、初めから冷凍に向いた具材を使ってカレーを作るようにしたほうが、手間がかからずに済みます。
たとえば、野菜の中でも玉ねぎ、サツマイモ、レンコンといった根菜類やかぼちゃ、トマト、オクラ、ナスなどを使ったカレーは、冷凍してもおいしく食べられます。
カレーに使うお肉もちろん、ウインナー、シメジなどのキノコ類も冷凍しても問題ありませんので、上手に組み合わせましょう。
また、にんじんをカレーに入れるときは乱切りにせず、薄切りにするだけで食感があまり損なわれずに済むので試してみてくださいね。
まとめ
調理済みのカレー鍋を常温で放置すると、ウェルシュ菌の増殖を高める一番の原因になります。
特に気温が高くなる夏場は、鍋の温度が下がりきるまでに時間がかかるので常温での保存は絶対に避けましょう。
調理した後はできるだけ素早く粗熱をとった後、すぐに小分けして冷蔵庫で保存して早めに食べきるようにしてくださいね。